新型コロナの状況はますます深刻になり、ついに緊急事態宣言が発令されました。緊急事態宣言には強制力がないそうなので、どこまで有効かわかりませんが、人々に及ぼす心理的なプレッシャーは大きいだろうと思います。ウイルスは非常に巧妙で、海外では強制力の伴う都市封鎖(ロックダウン)が発令されても感染爆発が起きているので、今後の事態がどうなるかまったくわかりません。
年始には、今年もいつもと変わらない年になるだろうと思っていました。あえて言うならば、国内線機内誌の占いで「今年は新しいことをせず、静かにしていること」と出たことくらいでしょうか。それから、1月2日に軽いギックリ腰になったくらいです。今年もいつもと変わらない年になるだろうと思っていました。
ところが今は世界中が混乱・混迷しています。どうしてこんなことが今起きたのだろうと思ってもわかりません。カリ・ユガの混乱が鮮明になってきたということなのか?最悪のカリ・ユガは43万年続くとされていますが、いまは何年目なのでしょうか?
インドでは、カリ・ユガの時代は人間の文明によって人々が神から遠ざけられ、霊的な堕落を引き起こしていると信じられています。このため暗黒時代と呼ばれます。この時代にあっては人心が荒廃し、貧困・憎悪・狂気・悪疫などあらゆる害悪が蔓延するとされています(ウィキペディア)。
3.11の東日本大震災が起きたとき、ヴェーダの考え方に照らし合わせて「これはカルマだ」という考え方もありました。これに対して「震災にあった人達はなにも悪いことをしていない」という反発が起きました。ヴェーダ哲学者のDr.サッティヤナラヤナ・ダーサは「前世のカルマとは限らない。現世の前世のそのまた前世のカルマかもしれない」と言いました。
そっ、そうなの?
これがインドの考え方?
同じクルーズ船に乗り合わせたのも過去世のカルマなのか?
インドの伝統的考え方は厳しいですね。
現在の新型コロナ禍は世界中の人が苦しんでいます。インドの伝統的な考え方からすれば、人類の集合カルマの結果がいま現れているとも言えるでしょう。私たち人類は地球に対してあまりにも身勝手な行動をしてきました。効率と利潤を追い求めてきました。経済グローバリゼーションの名のもとに、効率性のために、命にかかわる医家向けマスクでさえ、価格の安い輸入品に依存してきました。地球温暖化もその結果として表出したものだと言えるでしょう。『チャラカ・サンヒター』では「疫病の最大の原因は季節の悪化」と述べられています。こうしてみると、インドのヴェーダ哲学者が言うように、前世だけでなく、前々前世からのカルマが現在の事象に現れているという考え方を否定できないかもしれません。「なぜ2020年なのか」という問いには答えられませんが・・・
私たちも人類。これまで積み上げてきたカルマを解消する行いをしなければならないと感じます。まずは、「これまで持っていたものに執着しないこと」でしょう。ああ、むずかしい。むずかしいけれど、これまで得たものに執着しなければ、新しいものを得ることができるでしょう。ウイルス感染症はいつかは終息します。その時には「コロナ禍の前の世界に戻る」のではなく「これまでと違う新しい世界が始まる」のだと思います。