買いだめはマスクだけでなく、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品、カップ麺、お米、パスタ、納豆、ペットボトルの水などに及んでいるそうです。
まあねぇ。
学校が休校になっているので子供たちは家にいる。家にいればトイレにも行くし、お昼も食べなきゃならない。とりあえず、カップ麺、お米、納豆があればなんとかなりそう。だから2週間分買いだめしておこう。
みんながこう思えば、お店の棚から物がなくなってしまいます。心理はパニック状態ですね。イタリアでもパスタがお店の棚からなくなったと報じられているし、アメリカでもトイレットペーパーやパスタを買いだめしているそうです。
トイレットペーパーを買い求める人の行列に並ぶ男性がインタビューを受けていましたが、「わかっていても買いだめするのは日本人の性ですね」とバツ悪そうに答えていました。イタリアの一部の州では実質的な都市封鎖が行われているので、買いだめも理解できます。しかし日本ではそうした行動規制はありません(不特定多数と接触する場所にはいかないほうがいいとは言われていますが)。買いだめするのは日本人の性なのでしょうか。
日本人の体質(プラクリティ)はカファだと言われています。個人個人の体質はいろいろだけれど、民族的にはカファ体質だというのです。カファは水と地が優勢なドーシャです。水と地なので「泥」状態。粘着性があります。ニカワのような質です。ベターっと物質や感情がくっつくのです。つまり執着です。物質に対する執着です。日本の家庭の温水洗浄便座の普及率は2018年で80.2%。ウォシュレットがあるのですから、いざとなればトイレットペーパーがなくてもなんとかなるのですが、トイレットペーパーへの執着心がばりばり強いのです(私も強いです)。
カファ体質の人は安定を好み、変化を嫌います。いまの状態を維持したいのです。状況変化に伴って環境を臨機応変に変えるというより、どんな状況の変化があったとしても、いまの環境を持続させたい欲求が強いのです。この傾向は企業に強く現れています。日本企業の競争力が低下しているのに、これまでの企業運営を変えることに抵抗を感じているのです。企業も個人もカファです。
ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)は心の質(サットヴァ、ラジャス、タマス)と関連性があり、カファはタマスの質が多い傾向にあると言われています。タマスは暗闇、無知、停滞、重さという形で現れます。トイレットペーパーが十分にあることはわかっているけれども、人が買い漁っているから自分も買わないと不安だという感情は心の曇り(無知)です。
こういう風に書くとカファに良い所がないように聞こえますが、そんなことはありません。カファは愛情深い質です。タマスが少なくなれば(タマスがまったくなくても困る)、カファの良い質が強まります。愛情深い質が強まると、お互いに助け合おうという気持ちが強まるでしょう。アーユルヴェーダを学んでいる人たちはタマスが少ないので、「トイレットペーパーが不足しているならお譲りします」と言ってくれています。
連日の暗いニュース。カファとヴァータとタマスが混ざり合て心が停滞し、不安感が高まっている人が多いことでしょう。カファとタマスが増えている人は、声を出して笑い、外に出ましょう。楽しい映画をビデオでみて大声を出して笑ったり、笑いヨガをしましょう。近くに緑があれば散歩しましょう。屋外でコロナウイルスに感染することはないそうですよ。早歩きで腕を振って歩きましょう。免疫力が高まって、カファとタマスの停滞を払拭してくれるでしょう。