ウイルス禍にみる人間の知性

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当校のトイレットペーパーの在庫が1ロールしかないので(ホールダーには使用中のロールがあります)、朝、近くのドラッグストアに買いに行きました。行く途中でトイレットペーパーを持っている人を何人か見かけました。「おっ、まだあるのかな、それとも売切れたか?」と思いながらドラッグストアに到着すると、やはり店頭のトイレットペーパーはありませんでした。

店員に「今日の分は売り切れですか」と聞くと「店内にある」という答え。しかし店内に入るとビックリ。店内の通路に、トイレットペーパーやティッシュの箱を持った人達がびっしり列を作っているのです。店内のトイレットペーパー売り場に行くと、棚はカランカラン。呆れ果てて、すぐさま店内を出ました。

トイレットペーパーは十分な供給量があると報道されています。それにもかかわらずトイレットペーパーやらティッシュやら生理用品を買いだめする人が後を絶ちません。人間の知性はいったいどこに行ってしまったのでしょうか。

人間には知性(ブッディ)が備わっています。しかし、知性が正しく使われていないのです。アーユルヴェーダではこうした状態を「プラッギャーパラーダ」と言います。「知性の間違った使い方」とか「知性の誤り」と翻訳されています。

アーユルヴェーダは「プラッギャーパラーダが病気の根本原因」と言っています。どうしてプラッギャーパラーダが生じるのでしょうか。それは執着です。

トイレットペーパーが欲しいという執着。

自分がよければそれでよいという執着。

除菌剤がなければいやだという執着。

好きだという感情も嫌いだという感情も執着です。

執着心が強まれば強まるほど、心はサトヴィックから遠ざかります。サットヴァが失われると知性は正しく働きません。プラッギャーパラーダですね。

こんな不安な時期だからこそ、知性を正しく保つ心意気が必要です。アーユルヴェーダを学び、アーユルヴェーダ的生き方をしたい人は、こういう時にこそアーユルヴェーダの哲学を理解する好機だと思います。新型コロナウィルスを寄せつけないアーユルヴェーダ的方法を実践するのも大事。と同時に、自分の心に忍び寄るプラッギャーパラーダを寄せつけない努力も大事だと感じます。アーユルヴェーダは生きるための灯台です。

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