『野菜料理大観』という菜食の歴史を広く網羅した本があります。
榎園豊治さんという和食料理人が書いた「知のかたまり」のような本です(旭屋出版)。
この本はアーユルヴェーダの食事論にも触れています。
榎園豊治さんの知識量には驚くほかないのですが、アーユルヴェーダに関してマハトマ・ガンジーが自著で触れた「アーユルヴェーダへの警告」についても本書で述べられています。
ガンジーさん、アーユルヴェーダについて手厳しいことを言っています。
「自分も医師になりたかったが、今はそんなこと思わない」ときっぱりアーユルヴェーダを見限っているのです。
アーユルヴェーダを見限ったというより、アーユルヴェーダ医師の態度を批判しているのです。
『野菜料理大観』に引用されたガンジーさんのアーユルヴェーダ批判だけで、ガンジーさんが考えていたことを完全に理解することは困難なのですが、アーユルヴェーダ医師批判を書いた当時のガンジーさんの心の一端をうかがい知ることができます。
ガンジーさん曰く。
「医者(おそらくアーユルヴェーダ医師)が金のために患者を甘やかしてクスリなんかを与えるから、ちょっとよくなったと思ったらすぐに悪習慣に戻って病気を再発させる」
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これはアーユルヴェーダ医者のせいかどうか疑問。
「アーユルヴェーダ医学の欠点は、その医師の多くがにせ医者であり、実際以上に知っているふりをしたり、絶対確実にすべての病気を治すことができると虚言するところにある」
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これは実際にあると思います。
アーユルヴェーダに関心を持っている西欧・日本の人々のなかには「アーユルヴェーダはどんな病気も治せる」と思っている人もいますし、そう言っているアーユルヴェーダ医師も中にはいます。
これは幻想です。
なぜなら病気は患者本人しか治せないからです。
患者本人が自分の病気を治すために、病気の根本原因を探したり、生薬で免疫力を高めたり、食事や生活習慣の改善アドバイスをしたり、パンチャカルマ治療によってすでに蓄積されているアーマを取り除いたりするのがアーユルヴェーダ医師の役割です。
その意味において「アーユルヴェーダ医師は患者の病気を治す」のではなく、「アーユルヴェーダ医師は患者本人が病気を治すのをバックアップする」ととらえたほうが正解のように思います。
いずれにしても当時のガンジーさんは、アーユルヴェーダに対してお気に召さない時期があったようです。
ドクター・パルタップは「患者の期待コントロールをしなければならない」と言っています。
先にも触れたように、アーユルヴェーダはどんな病気も治してくれるという幻想が患者の一部にあります。
Jiva Ayurveda、ジヴァ・ジャパン、日本の医師達が行っている「スワスタ・プログラム」に参加されている患者さんの中には、仕事が理由でラジャスを増やし、自分を大切にしているとは言い難い人もいます。
「これでは病気が治らないだろうな」と思うこともあります。
しかし、アーユルヴェーダは魔法の医療だと思っている人の中には、治らない理由は自分にあることに気がつかず、「アーユルヴェーダは効かない」と思ってしまう人もいます。
正しいアーユルヴェーダ啓蒙が必要なようです。
★ジヴァ・ジャパン・アーユルヴェーダスクールは2025年1月-6月期本コース受講生を募集しています。
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●アーユルヴェーダ・ベーシックコース
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注)本コースは1年間の履修につき修了は2025年12月です。
【音瞑想とサトヴィックご飯~自分の声による心調和の音の癒し(2/8】
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