お肉好きの人にとってはベジタリアン食というものを想像できないようです。もちろん想像できる人もいますが、できない人もいます。
私のアーユルヴェーダの師匠であるドクター・パルタップが日本に来ていたとき、あるアメリカの大きな団体の日本支所から、あるコンテストの審査員を頼まれました。
そのコンテストは午前中から始まったので、昼食はコンテスト会場でとることになりました。コンテストの運営責任者にドクター・パルタップはベジタリアンであることを伝えました。運営責任者は「わかりました。私が作ってもってきます」という回答でした。
当日はドクター・パルタップ以外にはサンドイッチが配られ、私も卵サンドを食べました。ドクター・パルタップの前で動物性食品を食べたのはその時だけです。
運営責任者がもってきたランチボックスをあけると、中には茹でたブロッコリーが入っていました。しかも塩なしで・・・
ベジタリアン食を想像できない人は、ベジタリアンは味もつけずに野菜だけ食べていると思っているのでしょうか。それともその人が特別なのか。
さて、本題。
ベジタリアン食(ビーガン食を含む)は健康的なのか否かという研究があります。
イギリスのある研究によりますと、ベジタリアンは、お肉や魚を食べる普通食の人より心筋梗塞に罹りにくいというデータがあります。普通食の人が心筋梗塞に罹る率を1とした場合、ベジタリアンは0.78という結果です。つまり0.22の率で心筋梗塞のリスクが低いのです。
一方、脳卒中に罹る率は、普通食が1に対してベジタリアンは1.20となり、脳卒中に罹るリスクが普通食の人より高いのです。
これはイギリスの研究なので、日本人がどうかについてはわからないそうです。イギリス人のデータをみる限り、ベジタリアン食が健康的とは一概には言えないという結論です。
アーユルヴェーダは口から入れる食べ物について、体のダートゥ(細胞組織)を滋養するだけのものとは考えていません。食べ物は心にも影響するものなのです。
アーユルヴェーダでは、食べ物をサトヴィックなもの、ラジャシックなもの、タマシックなものに3分類しています。それによって心への影響が違ってきます。
多少、脳卒中に罹るリスクが高まろうとも、神に近づくためにはサトヴィックなものを食べなければならないと、今なお多くのインド人は考えています。
神のために食べると考えている人たちにとっては、脳卒中データは意味をもたないのかもしれません。食べ物の関する現代研究はもっと深化する必要がありそうです。
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