ジヴァグラムに行ったとき、一応パンチャカルマ専門医に面会することになりました。患者として行ったわけではないので「一応」のスタンスです。
肩こりも便秘も何も不調がない夫は、医者の職務を全うさせなければならないという顔つきをして、「若い頃と比べると体の動作も頭の動きも遅くなった」と言いました。
というのは、セラピストから「どこか調子が悪い個所はないのか?」と聞かれるたびに「どこもない」と答えると、彼らはがっかりした顔になるとよく言っているからです。医者も同じ。医者は病気を治す人達なので、「どこも不調はない」と答えると肩透かしをくらったような気持ちになるかもしれません。それで夫は上の発言をしたのです。でも、それは本当のことなのでしょう。
パンチャカルマ医師はフンフンと聞きながら、「それは神経が弱っているせいだ」と言いました。その通りです。体の神経も脳神経もだんだん劣化していきます。
パンチャカルマ医師は「メッディア・グリタを摂るとよい。ジヴァが作っているよ」と言いました。
「メッディア」は脳神経を強化し、認知機能を向上させる効果を意味します。最近注目されている「Nootropics」ですね。さらに、心を若々しくする効果も含まれます。「メッディアラサーヤナ」は脳神経を強化し、認知機能を改善するラサーヤナを差します。
グリタはギーを意味するサンスクリットです。つまり、脳神経を強化し、認知機能を改善する薬用ギーということです。
脳神経を強化するアシュワガンダやブラーミのタブレットはあるが乾燥しているので、ヴァータには潤いのあるメッディヤ・グリタがよいとパンチャカルマ医師はいいました。
なるほど。
私も「買う!買う!」と言って飛びつきました。
成分表をみると、ブラフミー、シャンカプシュピ、アシュワガンダ、バチャなどの脳神経を強化するハーブのエキスが入っています。味はギーの味で、薬草の味はしません。
帰国してから朝食時に食べ始めましたが、サラッとしたギーで食べやすく、ヴァータ体質の夫は「なんかアタマがクリアになった気がする」と発言。ヴァータ体質は暗示にかかりやすいというか、プラス効果がすぐに現れる傾向があります。
それに対してカファ体質は変化が現れるまで時間がかかります。カファはなにごとも遅い!
メッディア・グリタは高齢者、特に認知機能の低下が気になる高齢者に食べてほしいと思います(味の好き嫌いは別の問題)。
しかし、考えなければならない点もあります。
民族によって腸内フローラは違います。例えば大豆は東アジア人しか消化できないと言われています。日本人がギーを摂った場合、インド人と同じ効果が得られるでしょうか。インド人はギーを常食していますが、日本人の腸はバター(ギー)をどの受け入れるものなのか不明です。
この点をスワスタプログラムに参画している日本のドクターたちに投げかけると、皆さん興味をもってくれました。日本人の腸内フローラとギーの相性を研究したら面白いと思います。ドクター・パルタップの来日時にドクター向けにメッディヤ・グリタを持ってきてもらうことにしました。
研究結果を待てないので、毎朝メッディア・グリタを切り餅に少量塗って食べています。ついでに、夕食のギーの使用量を増やしてみました。これまではオリーブオイル中心で、必要とあればギーで補完していたのですが、意識的にギーの使用量を増やしています。
なんとなく首や肩甲骨まわりのコリにいいような気がします。まだ「気のせいかな」程度ですが、ギー作戦を続けてみようと思っています。
当校の「アーユルヴェディック栄養学コース」では、土地によって腸内フローラが異なるという点を織り込んでアーユルヴェーダの食理論を実践しています。
ジヴァ・ジャパン・アーユルヴェーダスクールは2023年1月-6月期本コース受講生を募集しています。
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