体と心を整える方法はアーユルヴェーダ古典教本に学ぼう

オンライン・コンサルテーション

SNSをみますと、自分の心の揺れ動きや、心の中にトゲのようにひっかかっているものや、苦悩の感情などについての投稿をよく見かけます。人間の心は繊細で、複雑系だなぁと思います。

私は、繊細な心ゆえにメンタル不調に悩んでいる人のアーユルヴェディック・カウンセリングもします。カウンセリングをするほど、人間は複雑系だという印象が強まります。

メンタル不調や体調不良が「コンフォートゾーン」になっている人もいます。すいぶん前のことですが、睡眠導入剤の使用を止めたいという相談でドクター・パルタップのコンサルテーションを受けた人がいました。ドクター・パルタップが「アーユルヴェーダで睡眠導入剤の使用を止めることはできますよ」というと、うろたえたように目が動き、「結構です。今のままでいいんです」といって帰っていった人がいました。コンフォートゾーンから抜け出すことがコワくなったのだと思います。

人間はもっと単純に生きることができるはずなのに、複雑に、さらに複雑に考える傾向があるのですね。

自分を単純にするためには、形容詞を多用して自己分析するのではなく、名詞や動詞を用いて自分の行動を明確化したほうがラクなのではないかと思います。

アーユルヴェーダ古典教本の代表格である『チャラカ・サンヒター』は、人間が健康かつ心安らかに生きるためのノウハウを説いています。

たとえば、1巻8章は、精神と感覚器官に関する基本的なことがらを扱っています。心をサトヴィックにする方法がズラーっと書かれています。たとえば・・・

「宝石を手につけなければならず、入浴しなければならず、傷んだ衣服ではならず、祈りの 言葉をつぶやかずにマントラを唱えないで、捧げものをせずに、神々や祖先の霊を顧みないで供物を捧げずに、尊重すべき人に先に食事を差し上げないことも、訪客にないのも、いつもそばで支えてくれる人、家族にないのもいけない。吉祥な香りがなくてはいけない、花輪がないのもいけない、手・足・顔を洗わなくてはいけない、 清浄でない口でもいけない、北向きでもいけない、心や感覚を留守にしてはいけない・・・」(加藤幸雄先生訳)

心をサットヴァにする方法なのに、形容詞は使わず、具体的な名詞と動詞を用いて、人間がすべきことを説いているのです。シンプルです。

昨日、アーユルヴェーダ診療も行っている産婦人科医の成川希先生が当校「アーユルヴェディック・カンセリングコース」で講義を行ってくれた時、「帰宅して足を洗うと気分が全然違う」とおっしゃっていました。

こういうシンプルさが複雑系の現代人に必要なことだと思います。

形容詞を用いて自己分析するより、名詞と動詞でディナチャリヤを実践したほうが体も心も健やかになるケースが多いのではないかと思っています。

★アーユルヴェディック・カウンセリングをご希望の方はinfo@jiva-ayurveda.jpにご連絡ください。

加藤幸雄先生とアーユルヴェーダ聖典『チャラカ・サンヒター』を読む会 (毎月第1水曜日)

★Swastha Program~アーユルヴェーダと現代ヘルスサイエンスの統合

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