10月の日本アーユルヴェーダ学会名古屋研究総会にて、録画ですがハーブについて講演をします。そのためハーブについて考えていたら、ハーブを引き寄せたようです。7月のチャラカ・サンヒター講座では加藤幸雄先生から素晴らしい香りのトゥルシをいただき、先日は銀座のビルの屋上にトゥルシを摘みに行ってきました。
それだけでも満足なのに、当校の卒業生さんが立派な黒松を送ってくれました。
2年くらい前から松葉ブームですね。私はいつもブームの周回遅れで、今年になってから松葉を使ってアーユルヴェーダ式薬用オイルを作りたくなったのですが、近所の花屋はどこも松を置いていませんでした。そうこうしていたら卒業生さんが黒松を送ってくれたのです。うれしい!
日本は松の国。松は不老長寿の健康をもたらしてくれるそうです。
さっそくアーユルヴェーダ方式で松葉オイルを作ってみることにしました。
アーユルヴェーダ方式の薬用オイルの作り方には基本があります(どのくらい強力なオイルにするかによって違いがあるとは思います。)。使うものは3つです。
●カルカ(薬用植物のペースト):1
●オイル: カルカの4倍
●カシャヤ(薬用植物の煎じ液):オイルの4倍
私はごま油を200ml使うことにしました。松の葉はおそらくヤニもあるだろうから、オイルとしてうまく作れるかどうかわからなかったので、オイルの量を200mlに抑えて試作してみることにしました。
ごま油200mlを起点にして計算すると、カルカは50g必要。カシャヤ(煎じ液)は800ml必要になります。
カシャヤ(煎じ液)は、薬用植物1を16倍の水で煎じて、水の量が1/4になるまで煎じます。ということは、800mlの煎じ液をつくるためには3200mlの水が必要。薬用植物は3200mlの水の1/16だから200gです。
「薬用植物200g+水3200mlを煎じる⇒水を800mlまで減らす」
アタマがこんがらがりますね。
薬用植物は前日に水につけておきます。黒松の葉は結構長いのでハサミでジャキジャキ切りました。
松葉は香りが高くて驚きました。水につけておいた翌日にはさらに香りが高く待っています。これを中弱火で1/4になるまで煎じるのです。時々かき混ぜます。事前に1/4の水の高さにメドをつけておきました。かなりの時間がかかりました。冬になって節ガスとか言われた日には作れないかも。
これくらい水が減った段階で火をとめ、漉した煎じ液がこれ。目標の800mlドンピシャ。
さて、ここからがオイル作りです。
カルカを作ります。カルカは薬用植物のペーストです。黒松のペーストを使いたかったのですが、グラインダーを使っても生の葉はペーストにならないので断念。アムラパウダー50gを少量の水に溶いてペーストにしました。かなりいい加減な私ですが、松葉もアムラも血液を浄化するのでよしとしましょう。カルカの写真撮るのを忘れました。
お鍋にカルカ50g、オイル200g、煎じ液800mlを入れます。4倍の法則です。
これを中弱火(煎じ液を作る時よりも弱火寄り)で加熱します。カルカはしっかり混ぜたほうがいいです。
アムラパウダーの匂いのほうが強く、松葉の香りはしません。あれ~?
途中、ドロドロになってくるので本当にオイルができるのかと心配になりますが、加熱を続けます。湯気が出ているうちは煎じ液の水が残っている証拠です。
加熱を続けると、少しずつ透明なオイルが現れてきます。表面のブクブクした気泡が減ってきて湯気も減ってきます。手のひらをお鍋の口に近づけて湯気を感じるうちは加熱をつづけます。
消えていた松葉の香りがしてきました。完成間近になるとカシャヤに使った植物の香りが戻ってくると言われています。
完全に水が蒸発すると、ブクブクしなくなります。完成!
オイルを漉します。本当は布で漉すのですが、私はキッチンペーパーを使いました。
出来たオイルがこれです。150mlくらいでしょうか。甘い香りがします。
アーユルヴェーダ方式の薬用オイルを作ってみたい方は、一日出かける予定がない日に試してみてください。インドやスリランカのアーユルヴェーダオイルのありがたみがよくわかりました。
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