自分にとって最適な食べ物は腸内フローラも考慮して考えよう

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アーユルヴェーダは健康と輝きの源として食べ物が最も大切だと言っています。アーユルヴェーダというとオイルマッサージを連想しますが、アーユルヴェーダの基礎は食べ物です。

アーユルヴェーダには万人に共通するおススメ食品はありません。体質(プラクリティ)やドーシャのバランスの崩れ(ヴィクリティ)によって、ある人にとってはよい食べ物であっても、別の人には適さない場合もあり、画一的ではないのです。そこがアーユルヴェーダの奥が深いところです。

そうではあるものの、いくつかの食品に関しては、積極的に食べることを勧めないものもあります。代表例は発酵食品です。古代においてはどうだったかわかりませんが、現代アーユルヴェーダにおいては発酵食品をあまり積極的に勧めてはいないようです。インドには発酵食品がまったくないわけではありませんが、日本と比べると少ないように思います。

新鮮さを重視するアーユルヴェーダは、作ってから時間の経った発酵食品をあまり評価していないのかもしれません。そういうこともあって「発酵食品を食べてはだめなのか」という質問をよく受けます。

私は「味噌や納豆は日本の伝統食品。食べていいです」と答えます。なぜなら、日本人の腸内フローラは味噌や納豆を消化できる酵素を持っているからです。日本人は大昔から味噌や納豆を大切なたんぱく質源としてきました。悪いはずがありません。味噌や納豆がタマシックな食べ物とも思えません。

塩も同様だと思います。アーユルヴェーダは一般に岩塩を使います。そのため日本でもアーユルヴェーダ食に岩塩のみを使うケースがあります。インドは国土が広く、かつては簡単に海水塩を手に入れることはむずかしかったでしょう。岩塩のほうが手に入れやすかったと推察します。岩塩は美味しいのですが、日本人の腸内フローラには海水塩のほうが適しているという説もあります。日本は海に囲まれ、海水塩を使い続けてきたのですから、日本人にとって海水塩が悪いはずがありません。

その土地土地の食習慣や、そこに生きる人々の腸内フローラを無視して、単純にインドの食習慣のみを信じるのは正しいことではないと思います。

食理論の背景にある風土や環境、その土地の食習慣を考慮することもまたアーユルヴェーダの英知だと思います。

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