精神不安による皮膚炎に対するアーユルヴェーダの取り組み

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アトピー性皮膚炎が心のストレスによって症状が悪化することはよく知られています。私のかつての同僚も、イライラするとアトピー性湿疹がくっきり現われ、皮膚を掻きむしっていたものです。

インドのジヴァ・アーユルヴェーダの事例です。28歳の女性シバーニさんは、病気によってお母様を亡くしてから気持ちは塞ぎ気味。やがて、腕に蕁麻疹のような発疹が現れました。痒みもありました。それまでアレルギーは持っていなかったので、突然の腕の発疹について心当たりはありませんでした。クリニックに行くと、ストレスによる発疹と診断され、抗ヒスタミン剤と軟膏を処方されました。しかし改善は見られませんでした。

そこでジヴァ・クリニックを受診しました。ジヴァのアーユルヴェーダ医師は不安を鎮めるための治療を施し、皮膚疾患は目覚ましく改善しました。

精神不安による皮膚炎とはどのようなものでしょうか。最大の臓器といわれる皮膚は心に秘めている感情を表します。私たちは何かに困惑したり怒りを感じると顔が紅潮したり、恐怖を感じると顔色が悪くなったります。感情はまっさきに顔色に表れます。ストレスや不安を慢性的に抱えていると、皮膚の色や調子が変化することは驚きではありません。

ストレスを感じると吹き出物がでる人もいるし、不安を感じると発疹が現れる人もいます。慢性的なストレスや不安感は交感神経を優位にし、ヒスタミンが放出されます。ヒスタミンは怪我、炎症、アレルギーに対する反応として放出されます。ヒスタミンの過剰な放出が精神不安による皮膚炎を引き起こします。こうした発疹は自然に消えたり、別の部位に現われたりします。不安感が強まると発疹が現れ、発疹が現れると不安感がさらに強まるという悪循環に陥りやすくなります。

現代医学のクリニックでは、精神不安による皮膚炎には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が処方されるのが標準です。それで改善する人がいる一方、症状が悪化したり、患部が広がる人もいます。

これに対してアーユルヴェーダは、精神不安による皮膚炎を起こしている根本原因を治療します。患者の精神構造を理解し、心の奥に入るように努めます。皮膚炎を起こしている背景には、ストレスとなったライフイベント、トラウマ、悲しみ、虐待、愛する人の喪失、失業、離婚・別離、受験ストレス、長引く病気などが隠されているかもしれません。

こうした要因はプラーナヴァータを乱します。プラーナヴァータはヴァータのサブドーシャで、頭部から肺のほうに流れているヴァータです。プラーナヴァータは呼吸、食べ物の摂取、認知、知識の獲得などをコントロールしています。プラーナヴァータのバランスの崩れは神経系を弱くし、心配、不安感、抑うつ感を増幅させます。アーユルヴェーダの治療は、プラーナヴァータを整え、心のサットヴァグナを高めることに注力します。

アーユルヴェーダ医師やアーユルヴェーダカウンセラーは、不安感を軽減する生薬の処方に加えて、食事や生活習慣のアドバイスを行います。

精神不安による皮膚炎を予防するためのヒント

●ヨガ、瞑想、プラーナヤーマ(呼吸法)を行って不安感を軽減し心を穏やかにする。

●気分を安定的に引き上げるために運動(特に有酸素運動)を定期的に行う。

●音楽を聴く。音楽は気分を引き上げるドーパミンや幸福ホルモンのエンドルフィンの分泌を促す。

●滋養豊かでバランスのとれた食事をする。自家製のジュースや果物を食べる。

●アルコールやカフェインの摂取を最小限にとどめる。

●気持ちを分かち合える人と一緒の時を過ごす。

●考えや気持ちを日記に表現する。不安を感じたら10までゆっくり数を数える。

●ヘッドマッサージ、ナスヤ(鼻オイル)、カルナプルナ(耳オイル)、足裏マッサージをする。

★ジヴァ・アーユルヴェーダドクターによるオンラインコンサルテーション

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