コロナ禍の前から世界の人々の意識は変わり始めていましたが、コロナを契機に意識変化が加速しているように感じます。食に関しても意識変化が始まっており、ベジタリン宣言をする人が増えていることはそれを反映していると思います。
ベジタリアンが少しずつ増えている背景には、動物の命を守るという理由もありますが、かなり切羽詰まった理由もあります。世界の食糧難です。コロナ前から世界の飢餓人口は増えているそうです。飽食の日本も無縁ではありません。コロナ前から十分な食べ物が食べられない子供は増えており、各地で子供食堂が運営されていることはご存知のとおりです。コロナになってからは一日一食を余儀なくされているシングルマザーと子供たちが増えています。アフリカの飢餓人口は急増しているそうですが、アフリカだけでなく先進国でも増えています。このままだと2030年には危機的状況になるとか。
一方、飽食は地球の生態系を崩し、食糧生産量は地球の人口を賄いきれなくなっています。たとえば、栽培したトウモロコシを直接人間が食べれば多くの人の飢餓を救えるのに、肉牛を育てるために必要なトウモロコシの量はその数倍にのぼっています。食糧を必要以上に使って牛肉を食べ、その結果、生活習慣病に罹りやすくなっています。
これでは人間の健康も地球の健康も保てないということで、世界の科学者たちが集まり、どんな食事が人間の健康と地球のサステナビリティに適切かという研究を行っています。科学者たちが見出した答えは野菜をたくさん食べること(当然ですが)。一日1358g(2500kcal)の食事を摂るとすると、
●野菜は300g。600gまでOK!
● 果物は200g。300gまでOK。
● 穀物は232g。
● タンパク質は209g。うち豆類とナッツを合わせて125g。肉と魚は、もし食べたければ84gまでです。牛肉は一日14g(28gまでOK)。少な!
つまりです。アーユルヴェディックな食事にするとよいのですね。穀物、野菜、果物、ナッツ、豆類を摂る食事です。日本人には海藻も大事。ドクター・パルタップは牛豚をだれにも勧めませんが、鶏肉と魚は一部の人には食べてよいと言っています。鶏肉は29gです(58gまでOK)。
科学者たちが提唱している食事方法は数値を示してくれているので、メニューを作るのに大いに役立ちます。この数値は今後、変更される可能性があるかと思いますが、基本的な考え方はアーユルヴェディック食を作る上で強い支柱となります。
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