ジャック・アタリという著名な経済社会学者がいます。彼はこう言っています。
「コロナ危機が示したのは、命を守る分野の経済価値の高さだ。健康、食品、衛生、デジタル、物流、クリーンエネルギー、教育、文化、研究などが該当する」
こうした分野はコロナ危機以前だって価値が高かったのですが、危機後はいっそう価値が高くなるでしょう。医師、看護師、介護職の人たちは自分の命を危険にさらして毎日対応してくれています。感謝です。
さらにジャック・アタリは教育、文化、研究の価値についても触れています。注目されるのは文化ですね。日本ではともすれば文化が軽視されがちですが、ヨーロッパでは文化が非常に重視されています。だからドイツなどでは、コロナ禍で仕事がなくなった音楽家や演劇関係者などに助成することを考えています(決まったのかな?)。
コロナが収束したときには(終息ではなく)、世界の価値観は大きく変わるだろうと思われます。命を助ける医療関係者だけでなく、ゴミ収集作業員、物流要員の価値も高くなると推測できます。
アーユルヴェーダの価値も高くなると思います。いえ、アーユルヴェーダの価値はもともと高いのですが、その価値が注目されるだろうと考えられます。実際、インドとスリランカ政府は、アーユルヴェーダ医師たちを現代医学の医師たちと協働でコロナ対応に当たらせようとしています。
このような医療面でなく、生き方の面でもアーユルヴェーダは注目されるだろうと思います。アーユルヴェーダは調和の科学です。自分の体・心・魂の調和、家族との調和、社会との調和、自然との調和。こうした調和が人間に健康と幸福をもたらしてくれるとアーユルヴェーダは言っています。興味深いことに、コロナ禍によって経済活動が低下したことによって、中国の大気汚染が改善され、15000人程度の命が助かったと報じられています。北インドではヒマラヤがみえるようになったとか。皮肉なことに、コロナ禍によって自然との調和が改善されたのかもしれません。
多くの人がこうした世界の変化に気がついています。コロナが収束(あるいは終息)したとしても、前の世界には戻らないかもしれません。そこにあるのは新しい世界です。新しい世界ではアーユルヴェーダを生活に取り入れましょう。