少し古い平成26年の厚生労働省データですが、日本の関節症疾病総患者数は125万人にのぼるそうです。1日あたり、人口10万人に対して191人が関節症で通院しています。65歳以上の女性の不調のうち「手足の関節が痛む」が2位になっています。日本は高齢化が進んでいるのですから、この先も関節症患者数は増加していくかもしれません。
関節の痛みは軽度でもクオリティオブライフ(QOL)を低下させます。変形性関節症の場合、アーユルヴェーダはオイルを患部に塗ることを勧めています。変形性関節症は関節の滑液がなくなるヴァータ性の疾患なのでオイルが効果を上げます。一方、関節リウマチはアーマが根本原因なのでオイルは適しません。アーマとオイルは「ねばねば、粘着、重い」という同じ質を共有しているので、オイルが適さないのです。
オイルを使う場合はこの辺の判断が必要ですが、関節痛を緩和してくれる「ゴールデンミルク」はどんな方にもおススメです。ゴールデンミルクの作り方は簡単。1カップのホットミルクに小さじ1/2または1/4のターメリックパウダーを加えるだけです。本格的にゴールデンミルクをつくる場合には、小鍋にミルク1カップとターメリックパウダー小さじ1/2または1/4を加えて加熱し、沸騰したらカップに注いで飲みます。おろしショウガを小さじ1加えるとさらにパワーアップ!
ゴールデンミルクの3つの関節痛緩和効果
- ターメリックは関節とスレシャカカファを守る
マレーシア大学の研究によると、ターメリックは関節と関節軟骨の劣化を防ぐ効果があります。さらに、関節のスレシャカ・カファ(滑液)のバランスを維持する効果もあります。ゴールデンミルクを定期的に飲むと、軟骨のダメージとアスティダートゥ(骨組織)の減少を予防することが期待できます。
- 自己免疫疾患に効果
関節リウマチ(アーマヴァータ)をはじめとする自己免疫疾患に対して、ターメリックは自己免疫反応をコントロールし、痛みや炎症を防ぐことができます。アーユルヴェーダでは、関節の動きをなめらかにする、関節の柔軟性を高める、関節リウマチの進行を遅らせるという効果をもつターメリックが昔から処方されています。
- 体にやさしい鎮痛剤以上の効果
ターメリックは温性で、抗炎症作用・鎮痛作用があります。ターメリックの成分であるクルクミンに炎症を抑えて関節を柔らかくする効果があり、化学成分でできた鎮痛剤のような副作用もありません。
ターメリックの成分を医薬品として利用する研究がいろいろ進められていますが、ターメリックを摂取する一番よい方法は食事に使うことです。ゴールデンミルクはターメリックを十分に摂取できるよい方法です。
注意点
夏場のターメリックを過剰に摂取することは避けましょう。ターメリックは温性なので、暑い夏にターメリックを過剰に摂取するとピッタのバランスを崩します。一方、牛乳は冷性なので、ゴールデンミルクは温性と冷性のバランスをとります。関節痛にお悩みの方は1日1回ゴールデンミルクを飲んだり、料理にターメリックを使いましょう。
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