日本人の2人に1人が生涯のうちに経験すると言われるガン。 だれもがガンに無縁ではいられません。 ドクター・パルタップはこう言っています。 「ガンほど不思議な病気はない。 喫煙をしない、お酒を飲まない、食品添加物の多い加工食品を食べないという生活をしていても、ガンになる人はなる。 乱れた食生活をしていても、ガンにならない人はならない」 たしかに。 私の知っている人も、酒・たばこと無縁でありながら、白血病であっという間にこの世を去りました。 「私はガンにならない」と言える人はだれもいません。
それにしても「日本人の2人に1人が生涯のうちにガンを経験する」というのは異常です。 何かがおかしくない? それ相応の権威筋はガンの増加要因として、 高齢化 喫煙 運動不足 を挙げています。 ガン罹患と高齢化は関係しているように思われますが、ガンの罹患デビューは40代からグーンと増加します。 40代は若い壮年期ですよ。 女性の場合は40代に乳ガンや子宮ガンが増加し、高齢になれば罹患率が減少します。 必ずしもガン罹患と高齢化は連動していないのです。 喫煙率も減少しています。 なのに肺ガンは急増しています。 だれもがガンに罹る可能性があるものの、ガンのリスクを減らすアーユルヴェディックな生活を知っておくことは大事だと思います。
ガンは細胞の変化です。 アーユルヴェーダの観点からみると、細胞の変化は毒素であるアーマに関係しています。 アーユルヴェーダは、アーマは胃から発生が始まると言っています。 胃は食べ物の消化器官です。 アーユルヴェーダは、消化器官の細胞変化をもたらす食べ方として18項目を戒めています。 この18項目を「ヴィルッダ・アハラ」といいます。
- 1.その場所に適さない。湿った土地で湿ったものを食べる。乾燥した土地で乾燥したものを食べる。
- 2.時間に適さない。冷たくて乾燥したものを冬に食べる。辛くて温性のものを夏に食べる。
- 3.アグニに適さない。消化力が弱いときに重いものを食べる。消化力が高いときに軽すぎるものを食べる。
- 4.量が適さない。はちみつとギーを重さで見て同量を混ぜる。
- 5.慣れている食べ物(サトミヤ)に適さない。辛くて温性のものに慣れている人が甘くて冷たいものを食べる。
- 6.ドーシャに適さない。ドーシャのバランスを崩す食事(同じ性質の食べ物を過剰に摂る)
- 7.加工の仕方が適さない。食べ物の質が毒になる加工方法。はちみつを加熱する。
- 8.2つの食べ物のヴィールヤが適さない。ヴィールヤが温性のものと冷性のものの組み合わせ。ショウガとココナッツ。ジュースとホットスパイス(トウガラシ)。魚と牛乳。
- 9.おなかの調子に適さない。便秘をしている人が、かさが少なく便を形成しないものを食べる。下痢をしている人が、重いものや便を形成しやすいものをたくさん食べる。
- 10.行動後に適さない。運動や性行為の後にヴァータを増やすものを食べる。昼寝のあとにカファを増やすバナナなどを食べる。
- 11.日課に適さない。排便や排尿の前に食事をする。
- 12.食べる順番が正しくない。甘味(カファ)→酸味・塩味(ピッタ)→苦味・渋味(ヴァータ)の順番で食べるべし。はちみつを食べた食後に熱いものを飲む。夜にヨーグルト。
- 13.好きでない物を食べる。サラダを先に食べるのはキライだが、それがいいと世間で言われているからムリにサラダを先に食べる。食べたくないものをムリに食べる。
- 14.禁忌事項。熱いコーヒーのあとに冷たい水を飲む。アイスクリームとホットチョコを同時に食べる。ギーを摂った後に冷たい物を食べる(スロータスをつまらせる)。
- 15.不適切な調理。不十分な調理。調理のしすぎ。
- 間違った食べ合わせ。牛乳と酸っぱい物。
- 食べ物の質。熟していない果物。カビがはえている。
- 食ルールに適さない。食事の前後に水を飲む。体を洗う前に食べる。生理中の女性がキッチンに入る。
ヴィルッダ・アハラをなるべく起こさないような食生活を心がけることが、消化器系のガンリスクを下げる大きな要素です。 ヴィルッダ・アハラの詳細を知りたい方はドクター・パルタップの「消化器系疾患講座」をオンラインに受講できます。 http://jivaayurveda-college.jp/pro-special/
食品添加物をできるだけ避けることも大事です。 つねに食品成分表を見ることを心がけてください。 日本の場合は、食品添加物と農薬がガンのリスクを引き上げていると考えられます。 その意味では、できるだけ工場でつくられる加工食品を避けることが大事です。 アーユルヴェーダが言っているように、ナチュラルな食べ物を摂りましょう。 水(白湯)を十分に飲んで細胞をきれいに保つことも大事。 便秘をしないこともポイント。 アーマを溜めないようにアグニ(消化力)を適切に強めることも大事。 動物性たんぱく質を摂りすぎないこと。
有名な栄養学調査に「ザ・チャイナ・スタディー」があります。 中国のどの地方がガン罹患が多いか、少ないかを研究した調査です。 それによると、動物性食品を多く食べる地方ほどガン罹患率が高いことが明らかになりました。 驚愕の調査結果だったので、この調査は闇に葬られたというオマケつきです。 (闇に葬られたといっても、いろいろな栄養学関連本にこの調査が書かれているので、実際には闇に葬られていませんが)
食品以外では、殺菌剤や漂白剤のような、薬品成分が含まれている生活用品を多用しないこと。 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の危険因子は喫煙と言われていますが、喫煙率は低下しています。 殺菌剤や漂白剤がCOPDを引き起こしているという説もあります。 運動は大事です。 しかし、過剰な有酸素運動は逆効果だという見解もあります。 過剰に酸素を摂りすぎると、細胞が酸化するからですね。 アーユルヴェーダが言っているように、激しい運動より、ヨガやウォーキングなど適度に酸素をとる運動がいいようです。 こういうことを実行してもガンになるものはなるのですが、リスクを低下させる行いは試みたいと思います。