アーユルヴェーダの上医、中医、下医

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アーユルヴェーダと同様に歴史が長い中国医学。古代から中国各地で様々な医学が発達し、それぞれが伝統医学として今日まで続いています。意外なことに、中国の医学には正式名称がなく、2017年にようやく中国の伝統医学の名称を「中医」と決めたのだそうです。意外です。

中医(中国医学)にはこういう格言があります。

“上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治す”

5世紀の中国の医書「小品方」に載っている格言です。最近、この格言をよく見かけます。この格言の中の「中医」は中国医学を意味する「中医」とは異なります。

上級の医者は国を治しちゃうのですね。中級の医者は人を治し、下級の医者は病気しか治さないというのです。

この格言以外にも、

“上医はいまだ病まざるものの病を治し、中医は病まんとするものの病を治し、下医はすでに病みたる病を治す”というのもあります。

上級の医者は病気を予防し、中級の医者は未病を治し、下級の医者はすでに発症した病気しか治さないというのです。

アーユルヴェーダに「上医、中医、下医」という名称があるかどうかはわかりませんが、同じような考え方があります。

アーユルヴェーダの古典書には「国の為政者が腐敗すると感染症が広がる」といったことが書かれています。この見方は「上医は国を治す」に通じるものがあります。

アーユルヴェーダでは病気の進展は6段階ある(シャットクリヤカーラ)と言われていますが、3段階目(未病)くらいまでは食事の改善とホームレメディーで改善することができます。これを指導してくれるのは中医かもしれません。

実際に発症した病気しか治せないのは下医?最も一般的な医者役割という意味でしょう。

アーユルヴェーダは元来、人を治す医学です。全人的な医療なのです。なぜなら、アーユルヴェーダは体も心も魂(アートマ)も癒す医療なのですから。

なので、生薬の処方だけでなく、食事や生活習慣のアドバイス、瞑想やプラーナヤーマのすすめ、マントラ、ヨーガ、チッタヒーリングなど多角的な治療を行います。

現代医学では想像できないほど多角的な取り組みを行うのです。

これからの医学・医療がこういう方向に進むことは間違いありません。

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