過敏性腸症候群(IBS)は、アーユルヴェーダで言うところの「グラハニ・ロガ」に相当する病態です。グラハニ・ロガは多様な症状が長期的に続くので、ケアも長期的に継続する必要があります。
主な症状は、腹痛、さしこみ、膨満感、不規則な排便、下痢、便秘などいろいろです。
私の知り合いや生徒さんにもIBSを罹患している人は少なくありません。家族の多くがIBSをわずらっている人もいます。
IBSの治療のためにインドのアーユルヴェーダ施設に向かったものの、おなかの具合が悪化して目的地までたどり着けなくて、近くのホテルに泊まって帰国した方もいます。
大学時代に症状がひどくなり、4年間、自宅と大学の往来に終始した方もいます。
アーユルヴェーダは、IBSはアグニの状態に関係していると考えています。アグニによって食べたものがエネルギーや栄養素に変換されますが、アグニが弱かったり不安定だと消化が正しく進まないので、アーマ(毒素)が蓄積され、グラハニ・ロガの症状が現れます。
アグニのアンバランスの要因として次のことが挙げられます。
酸っぱい物やスパイシーな食べ物の摂りすぎ
ストレス、不安
不適切な睡眠・不眠
アーユルヴェーダ生薬はIBSの改善に大きな効果がありますが、ホームレメディーも改善効果がみられます。
ヨガ
ヨガは不安感を鎮め、結果として体を癒す効果があるので、消化器の過敏な状態を鎮めます。ゆったりしたアーサナや深呼吸を行いましょう。小腸に力を与えます。
マリアルジャーサナ(猫のポーズ)、ブジャンガーサナ(コブラのポーズ)、ダヌラーサナ(弓のポーズ)がおススメ。ストレスを緩和し、アグニを強めます。
食物繊維
食物繊維が豊富な食べ物は腸内をきれいにし、IBSの症状を緩和します。バナナ、人参、ダル(とくにムングダル)には食物繊維がいっぱい。しかし、症状によっては繊維が少ない食べ物が必要な人もいるので、アーユルヴェーダドクターに相談しましょう。
ハーブ
アムラ、トリファラ、カモミール、アロエベラは便を整え、消化器系を落ち着かせます。食事やセルフメディケーションとして日々の生活に取り入れましょう。
瞑想
瞑想やリラクゼーション法は体の不快症状から意識を遠ざけ、アグニを安定させます。ナディショーダナなどのプラーナヤーマは神経を鎮めるため、腸内のアグニを正常に戻します。
リラクゼーション法はIBS罹患者の不安感や恐怖心を取り除く効果があります。脳と腸がつながっていることは、脳腸相関として最近では知られるようになってきていますが、アーユルヴェーダは昔からアパーナヴァータとプラーナヴァータのつながりを指摘しています。ストレスが腸の炎症に関係している所以です。
プロバイオティクスとプレバイオティクス
プロバイオティクスは腸の健康を支える微生物のこと。プレバイオティクスは腸内細菌のエサとなる食べ物のことです。プロバイオティクスは不安、抑うつ感、血中コレステロール、皮膚の健康に関係しています。
IBSを罹患している人は腸内のビフィズス菌が少ないと言われています。プレバイオティクスはビフィズス菌を増やすとか。バナナ、アスパラガス、玉ねぎはプレバイオティクスです。
IBSで不調を感じる方はこれらのホームレメディーをお試しください。
「スワスタ・プログラム」でジヴァ・アーユルヴェーダのドクターに診てもらうのもおススメです。
★ジヴァ・ジャパン・アーユルヴェーダスクール
★Jiva®マルマ・ハンドトリートメント講座