日本人は東洋医学という意味合いで「漢方」という言葉を使っていると思います。「漢方」と「中医学」を同一視しているのではないでしょうか。「中医学」は中国で発展した「中国伝統医学」のこと。一方、「漢方」は日本伝統医学のことです。漢方の土台は中国医学ですが、日本で独自に発展した医学です。江戸時代に日本に入ってきた西洋医学「蘭方」に対して、日本伝統医学という意味で「漢方」という用語が使われました。
中医学と漢方の違いを聞いたことがあります。それが正しいかどうかは私にはわかりませので、違っていたらすみません。
中医学の病気の治療は根本原因をみつけることから始まります。その基本が「陰、陽、表、裏、寒、熱、虚、実」の見立てです。根本原因を改善することが病気の治療法なのです。
一方、漢方は、根本原因をみつけてそれを改善するというプロセスをギュッと縮めて、症状に対応する生薬を処方するという方法をとるそうです。
再度言いますが、これは聞いた話の受け売りなので、違っていたらすみません。
アーユルヴェーダの病気治療は中医学と同様に、根本原因を取り去ることが治療の第一歩です。
かつて、不妊に悩むお友達同士の女性二人が一緒にドクター・パルタップのコンサルテーションを受けにきました。一人がコンサルテーションを受けている間、もう一人は後ろで控えていました。声が聞こえる距離です。控えている方の人がコンサルテーションの会話を熱心にメモしています。
ドクター・パルタップは控えている人に「熱心にメモをとっているけれど、不妊といっても原因は一人一人違うのだから、あなたがメモしても意味がないですよ」と言いました。
このアーユルヴェーダの考え方はなかなか理解されないようです。私たちは現代医学式の「症状に対応するクスリやトリートメントを処方する」という発想が染みついているので、根本原因を追究して取り除くという考え方に馴染むのがむずかしいのです。
アーユルヴェーダセラピストさん達からよく「子宮筋腫を改善するオイルはありますか」とか「リウマチに合ったハーブは何ですか」という質問を受けます。私は「その人が病気になった原因がわからないので何とも言えない」と答えます。イジワルそうに聞こえるこのような回答に不満らしく、他の人に同じ質問をしている人もいます。
しかし、アーユルヴェーダの治療はそういうものなのです。「ガンによいハーブはなんですか」という質問を受けたドクター・パルタップも「原因によるから何とも言えない」と答えていましたよ。
このアーユルヴェーダの考え方をしっかり身につける必要があると思います。そうでなければ「頭痛にはこのクスリね」という現代医学の発想と同じになってしまいます。
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