潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。日本の潰瘍性大腸炎患者数は2018年度で124,961人にのぼります。1ケタ台まで患者数が明示されているのは指定難病に指定されているからでしょう。治りずらい病気なのです。
症状としては、腹痛、下痢、便の変色、下血、体重減などが現れます。状態が悪化すると、関節、皮膚、目などの深刻な合併症を引き起こすこともあります。
潰瘍性大腸炎の主な原因はピッタの増悪なので、アーユルヴェーダでは「Pittaja Grahani」と呼ばれます。「Grahani」は腸の炎症を意味する一方、小腸を指す言葉でもあります。小腸はピッタの場所です。ピッタがバランスを崩す要因としては、テレビを観ながら食事をする、歩きながら食べる、過剰な熱、太陽光の当たりすぎ、アルコールの飲みすぎ、喫煙、過剰な心の動き、食事を抜く、スパイシーな食べ物や鮮度の落ちたものを食べるなどが挙げられます。
潰瘍性大腸炎に対するアーユルヴェーダの治療の中心は、増悪したドーシャのバランスを整えることと、個人個人によって異なる病気の根本原因に焦点をあてて病状を緩和することにあります。
潰瘍性大腸炎の症状緩和に期待できるナチュラルなホームレメディー
ホームレメディーは潰瘍性大腸炎を完治させるわけではありませんが、症状の緩和と再発予防が期待できます。患者さんにとってはかなりラクになるはずです。
●バターミルク1杯にターメリックパウダー小さじ1/4、ローストクミンパウダー一つまみ、岩塩少々を入れて朝食と昼食時に飲みます。夕食後は飲まないように。
●クローブパウダー、シナモンパウダー、カルダモンパウダー、ヒングを同量混ぜ、1日2回、ぬるま湯とともに小さじ1杯を食べます。
●ナツメグパウダー小さじ1/4、アムラパウダー小さじ1/2、セロリシード小さじ1/2を混ぜてぬるま湯とともに就寝前に食べます。
●リコリスパウダー(甘草)を1日2-3回ぬるま湯とともに食べます。
●コリアンダーパウダー小さじ1を200mlの水につけて一晩置き、翌朝の空腹時にその水を飲みます。
できることを試してみてください。セラピストやアーユルヴェディックカウンセラーの方は潰瘍性大腸炎のクライアントにアドバイスしてあげてください。